株式会社伍魚福 代表取締役社長

地域・社会とのかかわりについて雑感2020.03.15(Sun)JR福知山線廃線敷ハイキング(武庫川渓谷)

先日、Facebook友達の記事で知ったJR福知山線廃線敷。
廃線跡への興味と、武庫川渓谷の景色が見たくなり、ハイキングに出かけることにしました。

JR西宮名塩駅まで車で約30分。
駅前の立体駐車場(90分無料、30分100円、上限あり)に車を停め、約1.3km(国道176号線沿い)歩いて廃線敷入口に到着。

詳しくは、こちらの地図を参照ください。

JR西日本の注意事項の看板がありました。

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落石・倒木など、自然による思わぬ危険がある。
足元には、突起物や滑りやすい箇所がある。
無灯(夜間の通行は視界不良で転落の恐れあり、昼間でもトンネル内は暗闇になる箇所がある)。
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入る場合には、自己責任で、気をつけて、ということのようです。
施設管理面の連絡先は、西宮市役所になっています。

 少し歩くと、全く風景が変わります。

「渓谷」というのにふさわしい景色で別世界。

何万年かをかけて、川の水に侵食されてできた壮大な地形です。
この巨岩は、いつからあるのでしょうか。

 トンネルが見えてきました。

後で調べると、もともとはトンネルの右側、川沿いに線路があったそうです。

トンネル内は真っ暗。
懐中電灯をつけて足元を照らしながら歩きます。
「出口のないトンネルはない」といいますが、出口が見えるとなんだかほっとします。

このハイキングコースは、全長約5km。

コース内には6箇所のトンネルがあります。

長いもので413mあるそうです。

 コース内には、昔の枕木がそのまま残っています。

ここが廃線になったのは、1986年7月だそうです。
Wikipediaの記事から、以下引用します。
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【福知山線輸送改善】
1970年から兵庫県三田市と神戸市北部に位置している神戸三田国際公園都市・北摂三田ニュータウンの開発が始まり、ニュータウンへの入居が始まった1981年ごろから三田市の人口が増加した。特に1987年から1996年まで、人口の実質増加率は10年連続で日本一を記録した。

福知山線では輸送力増強のため、非電化区間であった宝塚駅 – 福知山駅間の電化による全区間電車運転と一部区間の複線化が行われることとなったが、当時は生瀬駅 – 三田駅間の山間部においては武庫川渓谷に沿って走っており、複線化が困難であったことから、生瀬駅 – 道場駅間はトンネルの連続する複線の新線に切り替えられ、約1.8km短縮されることになった。

まず、1986年8月1日より新線切り替えと宝塚駅 – 三田駅間の複線化が行われた。次いで同年10月15日より三田駅 – 新三田駅(この時点では開業前)が複線化され、翌11月1日行われた国鉄最後のダイヤ改正(1986年11月1日国鉄ダイヤ改正)から全面的に電車で営業を開始した。同時に、生瀬駅 – 武田尾駅間には西宮名塩ニュータウンの開発にあわせて西宮名塩駅が、三田駅 – 広野駅間にはウッディタウンの玄関口として新三田駅が開業し、特急「北近畿」の運転開始に加え、113系2両編成を主体として普通が日中時間帯で1時間あたり3本(大阪駅 – 福知山駅間1本、大阪駅 – 新三田駅間2本)に増発された。国鉄分割民営化後の1989年より快速が運転を開始した(快速の区間は現在と同じく、大阪駅 – 三田駅間のみ)。この時点で日中は特急0 – 1本、快速2本、普通4本の現在とほぼ変わらないダイヤになった。

1997年には新三田駅 – 篠山口駅間の複線化が完成し、JR東西線が開業することにより、同線経由で学研都市線との直通運転が開始された。

なお、生瀬駅北西から武田尾駅北東にかけての廃線敷は、地面に半ば埋まった枕木が残り、2016年11月から渓谷沿いのハイキングコースとして一般開放されている。
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この路線が開通したのが明治32年(1899年)。
トンネルも手作業での工事だったと思われます。
以前訪れた、治水用の湊川隧道が明治43年開通です。ほぼ同時期ですね。
明治の先人の努力に頭が下がります。
明治40年(1907年)に国有化され、現在に至ります。

この記事を書くにあたり、いろいろ調べてみましたが奥が深いです。
鉄道マニアの気持ちが少し理解できたような気がします。
福知山線として使用されていた当時の看板や、プレートなども残されています。
一つひとつに意味があり、利用されてきたと思うとますます感慨深いものがあります。

2時間くらいかけてJR「武田尾駅」へ到着。
トンネルと橋梁の上にできた無人駅です。

普段見慣れた電車に乗り、一駅大阪方面へ。
西宮名塩駅で下車して、車で帰宅。

地元兵庫県にも、まだまだ知らないこと、知らない場所がたくさんありますね。

このコースには、もともと生えていた山桜の他に、住民の皆さんが植えた桜の木があるそうです。
花見の時期に再訪したくなりました。

整備いただいている皆さんに感謝です。