株式会社伍魚福 代表取締役社長

地域・社会とのかかわりについて経営について2025.11.14(Fri)70周年記念式典・決起大会2025

本日18時から神戸市長田区「ふたば学舎」講堂で伍魚福の70周年記念式典及び2025年度の決起大会を開催しました。
冒頭、私から70周年を迎えるにあたっての感謝の言葉を述べさせていただきました。
長文となりますが、その内容を以下に記載いたします。
実際には、以下の文章からキーワードに丸印をつけ、それをもらさないようにアドリブでお話ししましたので、実際とは構成が異なりますが込めた思いは同じです。
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皆さま、こんばんは。
本日はお忙しい中、伍魚福70周年記念式典と2025年度の決起大会(忘年会)を兼ねた会に、ご家族の方も含め約50名にお集まりいただきました。
誠にありがとうございます。
企画・設営いただきました、経営理念浸透プロジェクトの皆さん、ありがとうございます。

本日は、特別ゲスト「かつみ♡さゆり」さんのステージがあります。
ステージが18時15分からなので、それまで少し長くなりますが、私からお話をさせていただきます。

70年を迎えることができましたのは、全てのTEAM GOGYOFUKUメンバーの皆さん、そして卒業された先輩方、協力工場・協力会社の皆さま、お得意先の皆さま、ご利用いただいている全てのお客さま、そして日々支えてくださっているご家族の皆さまのおかげです。
心より感謝申し上げます。

現在、伍魚福には80数名のメンバーが在籍しています。
今、健康保険証を持っておられる方は自分の番号を見ていただけますか。
私が子どもの頃の健康保険証の番号は「3番」でした。当時の社長であり、現在の山中名誉会長の扶養に入っていた頃の番号です。
この番号が有限会社としての設立当時からなのか、株式会社になってからなのかは不明ですが、大坪課長に調べてもらいましたら、新しい方が社会保険に入るたびに1つずつ番号が増えていくとのことです。
阪神大震災のあった1995年に入社した私の番号は「263」。この約50年で260番ほど進んでいます。
現在もっとも新しい番号は「420」。
配偶者の方の扶養になっているなど、社会保険に入っておられなかった方も一定数おられるため推定になりますが、通算しますと500名以上の方が伍魚福に在籍してくださっていたと考えられます。
たくさんの先輩方の仕事のおかげで今の伍魚福があります。本当にありがたいことです。

70年の歩みを少し振り返ります。
私の祖父の時代までは、京都の山奥、綴喜郡宇治田原町で「山中碧翠園」という屋号で製茶業を営んでいました。
しかし、昭和14年(1939年)に倒産、戦前から戦中神戸と京都と行ったり来たりがありましたが、祖父は戦後神戸でスルメの加工業を始めました。
ただ昭和28年(1953年)に再び倒産。その後、息子二人で創業したのが伍魚福です。
昭和30年(1955年)に「有限会社 五魚福」として再発足、そこから今年は70周年ということになります。
昭和45年(1970年)に「株式会社 伍魚福」に改組して今に至ります。

初めて聞かれるご家族の方もおられますので、改めて説明しますが、この「伍魚福」という名前は、占い師がつけたものなのです。
兵庫区にあった「賽の目(さいのめ)」さんという当たると評判の占い師に、当時高校2年生だった名誉会長が占ってもらいました。
長く待たされた後、占い師の指示に従ってサイコロを転がし、出た目を見て占い師が紙に書いたのがニンベンのない「五魚福」でした。

「これなんですか」と聞くと、「5種類の魚を飴で炊いて酒のつまみを作ったら儲かるぞ」と言ったそうです。
「倒産して工場がありません」と言うと、「工場は西の方にある」。
「原料は?」「和歌山の方にある」。
金融会社の管理下にあった工場に戻り、出入りしていた業者の方に、こんなことを言われた、と伝えると、倒産したおかきの工場がある、と紹介されたのが、今の「いか工場」です。
「信じるものは救われる」と言いますが、そこから「五魚福」を屋号として創業、株式会社になるときに人を大事にしたいから、ということで五にニンベンをつけて今の「伍魚福」になりました。

さて、本日は決起大会でもあります。
今日の全体会議で発表しました、2026年度のスローガンを説明します。

2026年度スローガン
より良いバトンリレーで
もっと「おいしい」
もっと「うれしい」
もっと「たのしい」を実現しよう

伍魚福では、お客様に提供する価値を「おいしい」「うれしい」「たのしい」と定義しています。
この価値のレベルをさらに高めていきたい。
そのためのキーワードが「より良いバトンリレー」です。

– お客様にとっての「おもしろい」=「おいしい」「うれしい」「たのしい」という基本価値を高め続けよう
– そのために「より良いバトンリレー」=
– より良いチームワーク・信頼
– 各人の主体性・自主性
– 良いコミュニケーション
を磨き、もっと「おもしろい」を実現していこう、と考えています。

仕事は、社内外で連続するバトンリレーだと私はいつも説明しています。
繁盛係(営業)が「注文」というバトンを顧客対応チームに渡し、物流センターが受けて出荷し、運送便の皆さんが小売業へ運び、小売業の皆さんが売場で消費者へ届ける。
出荷がきちんとできるように、生産管理チームは協力工場の皆さんと「発注」というバトンをやり取りして「商品」を準備します。
出荷後は、経理チームが売上データというバトンを受け、「請求書」というバトンを渡し、「お金」というバトンを受け取る。
これらすべてのバトンが行き交うグラウンドを、情報システムチームが支えています。

商品づくりも同じです。「こんな商品が欲しい」というお客様からのバトンを繁盛係が受け、商品企画チームに渡す。
企画は「商品コンセプト」という形にバトンを仕上げ、商品開発チームへ。
開発は協力工場の皆さんと「試作品」というバトンのやり取りを重ねて「商品」に仕上げる。
「商品」の表示や工場の衛生チェックは品質保証部が担当。
完成した「商品」というバトンは商品プレゼンで社内共有され、繁盛係がお得意先へ渡す。
日々のお客様からの質問やご指摘への対応も、重要なバトンのやり取りです。
たくさんのバトンが社内外でやり取りされ、最終的にお客様にご利用いただき、「おいしい」と喜んでいただく——そのために、私たちの全ての仕事が存在します。

では、「より良いバトンリレー」を実現するには何が必要か。私が大切だと思うポイントを、改めて確認します。
– 受け取りやすいランナーになる
– 外部や社内からのバトンを受け取りやすくするために、前のランナーをよく知ること。
– その人が何に苦労しているのか、どこまで仕上げられるのかを理解する。
– 確実に渡す
– 何のためのバトンか?
– ゴールはどこか?
– 喜んでくれる人は誰か?
– 自分は良い形で走れているか?
– 次のランナーが受け取りやすいか
– 次のランナーをよく知ること。
– 次のランナーが困っていることは何か?
– 社内や外部の方に渡すときの「タイミング・情報量・品質」を揃える。

これらを意識しながら、日々の仕事を一つずつ丁寧にやり切ることで、もっと「おいしい」もっと「うれしい」もっと「たのしい」が実現できます。

現在、我々は「関西経営デザイン認証」に申請しています。
そこに示した「伍魚福のありたい姿」は、若手メンバーを中心に山中室長をリーダーとして議論し、まとめたものです。
この申請書は伍魚福の10年後の「ありたい姿」を描いたものであり、審査を受けた後に社内で正式に共有する予定です。
伍魚福の未来はここにいる全員で作っていくものです。
その道標となる「ありたい姿」は、近日中に皆さんに説明させていただきます。
ぜひ一緒に目指していきましょう。

今夜は、皆さまに楽しんでいただける特別なステージをご用意しています。
私の挨拶の後は、タレントの「かつみ♡さゆり」さんにご登場いただきます。
ステージの後には、全員で記念撮影を行い、そのあと「かつみ♡さゆり」さんから乾杯のご発声をいただく予定です。

今日は、参加者同士のコミュニケーションを高めるという目的もあります。
お互いのことをよく知り、良いバトンリレーができるよう、有意義な会にしたいと思います。

それでは、この後の「かつみ♡さゆり」さんのステージ、どうぞお楽しみください。
少し長くなりましたが、本日のご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございます。
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その後、「かつみ♡さゆり」さんのステージ。
舞台上でのやりとりから始まり、舞台を降りて、各テーブルを回りながらいろんなメンバーに声をかけてイジりながら盛り上げていただきました。

「かつみ♡さゆり」さんは、2021年、テレビ番組「せやねん」の取材で来社いただいたご縁で今回ご依頼させていただきました。

全体の記念写真の後、「かつみ♡さゆり」さんの発声で乾杯。
テーブルごとの記念写真も撮らせていただきました。

歓談、抽選会を経てお開きに。
締めの挨拶は、1988年に新卒で入社し、今年60歳の定年を迎え、嘱託社員となった高橋部長です。

手作りの70周年記念式典。
最後は全員で片付けて解散。

ご協力いただいたTEAMメンバーに感謝です。
ありがとうございました。