株式会社伍魚福 代表取締役社長

読書メモ2009.01.01(Thu)「『日本の経営』を創る」三枝匡・伊丹敬之著

今朝は3時前に目が覚め(年のせいでしょうか・・・苦笑)、ランクアップノートを書いたりしたあと、年末から読み始めていたこの本を読みました。
途中初詣の外出、雑煮祝い、酔っ払っての休憩(笑)を経て、赤ペン片手にメモをとりながら先ほど読了。

株式会社ミスミグループ本社の会長・CEOである三枝匡(さえぐさただし)さんと東京理科大学総合科学技術経営研究科教授の伊丹敬之(いたみひろゆき)さんの対談を本にまとめたものです。

三枝さんは2002年にコンサルタントから東証一部上場企業であるミスミの社長に転じ、業績を伸ばしておられる現役の経営者です。伊丹教授は12月の記事でも書きましたが、兵庫県立大学の當間克雄教授に教えていただいて読んだ「経営戦略の論理」の著者です。

さまざまな企業を再生してきたコンサルタント、あるいは実際に経営者として会社を改革し、成長させてきた三枝さんの経験からの話と経営学者の立場でさまざまな企業を分析して経営を論理化・抽象化させてきた伊丹教授との対談ですので丁々発止読み物としても面白く、ためになる本でした。

現在、伍魚福の2009年度計画をあらかじめ決めたスケジュールにそって策定しています。
12月には既に新年度の組織を発表しました。
1月9日には、各部門の計画を発表します。
2月6日には各グループの計画を発表。
2月21日には各個人まで落とし込み、「経営計画発表会」を開催。

昨年末の29・30日にも新年度各部門を統括するリーダーと計画について話し合いを行いました。
TEAM GOGYOFUKUのメンバー全員がワクワクできるような会社とは。
中期経営計画のタイトルである「神戸で一番おもしろい会社になろう」。

この本のサブタイトルは「社員を熱くする戦略と組織」です。このタイミングでこの本と出合うというのは大変幸運でした。
いくつかこの本の中で私の心に響いたキーワードを記載します(一部要約しています)。

会社を作っていくのは実際に働いている幹部、社員たちである。どんなに頭がいい人が作った戦略でも、そこで働く人たちが熱くならなければ意味はない。そこで働く人たちが消化できて熱くなれるストーリーでありながら、彼らの身の丈にあったジャンプを求めなければならない(三枝氏)。

情報の流れが緊密な人々同士の間では、感情の絆も緊密になる。そこへ成果が上がっての元気が供給されれば、感情的つながりはますます緊密になる。
心の元気がでるから、みんなと一緒に情報を交換したくなる(伊丹氏)。

マインド連鎖を起こせる(心を動かすことのできる)戦略=シンプルなストーリー。
シンプルなストーリー=「やらなきゃいけないこと」が明確に伝わる。だから間違いが起きない。複雑なストーリーは途中でいろいろな前提を置くから、その前提が一つでも崩れたら、全体が成立しなくなる(伊丹氏)。

シンプルなストーリーを作るための「一枚目、二枚目、三枚目」論(三枝氏)
「一枚目」=現実の問題点への強烈な反省論を単純化して書く。
「二枚目」=戦略や対策のストーリー。
「三枚目」=具体的に担当者と日付の入ったアクションプラン。

失敗しない人=まともな勝負をしないで迎合したやり方でずっとすませてきたか、リスクのある難しい仕事をはじめから避けてきた人(三枝氏)。

経営者人材の要件=「論理性」プラス「熱き心」。「論理性」は鍛えることが可能(三枝氏)。

乱暴な人事、背伸び、ストレッチ、すべて組織や人が育つ源泉である。もちろん無茶はいけない。しかし、無理をしなければ、伸びない(伊丹氏)。

今年は伍魚福にとっても絶対おもしろい年になります。
TEAMメンバー全員で熱くなり、中期経営計画の実現=「神戸で一番おもしろい会社」を目指して邁進していきたいと思います。