株式会社伍魚福 代表取締役社長

地域・社会とのかかわりについて雑感2022.01.16(Sun)INSIDEOUT・澤田知子「神戸長田文化賞歴代受賞者展」

神戸市長田区、新長田合同庁舎1階「兵庫県立神戸生活創造センター展示ギャラリー」で開催されている「神戸長田文化賞歴代受賞者展 第二回芸術の杜」に行ってきました。
「INSIDEOUT」と題して、アーチスト澤田知子さんのセルフポートレート写真が展示されています。

神戸長田文学賞とは、資料によると次のとおりです。
「長田区にゆかりのある、多彩なジャンルで神戸に限らず全国や世界でも活躍されている芸術文化活動家(個人及び団体)を顕彰する賞です。平成18年から始まった同賞はこれまで15回を数え、のべ40の個人・団体の方が各賞を受賞されています」

澤田さんは第14回神戸長田文化賞受賞だそうです。
神戸のご出身だとは全く知りませんでした。
現在も長田区在住とのこと。

本日は最終日。
14時からダンサー岡登志子さん(第9回神戸長田文化賞受賞)のダンス公演、14時30分から岡さんと澤田さん、長田区長の増田匡さんによるトークイベントです。

イベント開始前に増田区長にご挨拶。
澤田さんもご紹介いただきました。

2004年に木村伊兵衛写真賞を受賞された澤田さんの作品を見て驚いたことがあり、とても印象に残っていました。
その作品「ID400」はこちらのサイトを参照ください。
https://global.canon/ja/newcosmos/gallery/selected-artists/tomoko-sawada/index.html

自らの400種類の姿を証明写真として撮影した作品は当時大きな話題になりました。
現在は、木村伊兵衛賞の審査員を務めておられるそうです。

ダンス公演は、ギャラリー前の通路で行われました。
澤田知子さんの作品からインスピレーションを受けての即興ダンスです。
通り抜けのできる通路のため、手押し車を押した高齢の方が通ったり、トイレに行くと思しき男性が通ったりして、街中でのパフォーマンスっぽい感じが出ていたように思います。

14時30分からはギャラリー内でのトークイベント。

澤田さんから岡さんへの質問からスタートです。
ダンスというパフォーマンスと澤田さんの現代美術としての作品との共通点や相違点など、とても興味深い話でした。
今回の展示のタイトル「INSIDEOUT」は、内面と外見のこと。
セルフポートレートを撮り続けた澤田さんは、現在は無の境地であるといいます。
外見をポートレート作品として作り続けた結果、よくよく考えると、結局は「無」だと最近気づいたとのことでした。
お面も外部の方からみると外から見えている方が表。
お面をつけている人にとっては内側が表。

人間の心の内外をどう表現するのか。
考えさせられます。

ダンスにおける振付師とダンサーの役割についても今日まで考えたことがありませんでしたが、音楽における作曲家と指揮者と演奏家の関係に似ているような似ていないような・・・。

最後に増田区長より、長田について思うことの質問。
澤田さんは、長田に若いアーチストが集まってきているが、長田の中での盛り上がりに終わっているのではないかという問題提起がありました。
もっと対外的に長田のアートについて発信すべきだ、という提言ですね。
岡さんも地元出身で、長田があるから今の自分があるとおっしゃっていました。


終了後、知己の皆さんとご挨拶して、会場を後にしました。

とても文化的な時間となりました。

主催いただいた、神戸長田文化賞実行委員会(神戸長田ライオンズクラブ、長田文化倶楽部、長田区役所)、企画制作のNPO法人芸法の皆さんに感謝。
ありがとうございました。