株式会社伍魚福 代表取締役社長

読書メモ2009.04.24(Fri)「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」戸部良一他共著

第二次世界大戦(大東亜戦争)における日本軍の各作戦の失敗を分析し、その分析をもとに日本の組織の特徴について考察を加えた書籍です。

防衛大学校の教授である戸部良一氏他6名の共著で、1984年に出版されたものです。

ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦という日本軍が敗れた6つの事例が紹介されています。

これらの失敗事例に共通する要因として以下の事項が挙げられています。

1.戦略上の失敗要因
・あいまいな戦略目的
→目的のあいまいな作戦は必ず失敗する。
・短期決戦の戦略志向
→長期的展望のないままに突入した戦争。
・主観的で「帰納的」な戦略策定-空気の支配
→情緒や空気に支配された戦略策定
→科学的合理性よりも精神力や「人情論」による決定
→論理的な議論ができる制度と風土の不在
・狭くて進化のない戦略オプション
→硬直的な戦略発想(陸軍:夜襲・迂回作戦の反復、海軍:短期決戦・奇襲・艦隊決戦主義)
→過去の成功に基づく綱領の墨守とその「聖典化」。これに伴う視野の狭小化、想像力の貧困化、思考の硬直化、さらに戦略の進化の阻害へ。
・アンバランスな戦略技術体系
→総合的なバランスを無視した一点豪華主義的技術(ゼロ戦、戦艦大和など)
→操作に名人芸を要求
→情報、ロジスティックス軽視

2.組織上の失敗要因
・人的ネットワーク偏重の組織構造
→インフォーマルな人的ネットワークが強力に機能する特異な組織
→人間と人間との間の関係(対人関係)それ自体が最も価値あるものとする「日本的集団主義」。組織目標と目標達成手段の合理的、体系的な形成・選択よりも、組織メンバー間の「間柄」に対する配慮の重視。
・属人的な組織の統合
→陸海軍の戦略思想の相違、機構上の分立、思考・行動様式の違いなどの根本的対立。
→仕組みとしての共同作戦ができず、個人の力による統合しかできなかった。このため、原理・原則を欠いた組織運営となり、計画的、体系的な統合が不可能
・学習を軽視した組織
→失敗の蓄積・伝播を組織的に行なうリーダーシップとシステムの欠如
→物事を科学的、客観的に見るという姿勢の決定的不在、情報の共有システムの欠如
→学習する主体としての自己自体をつくり変えていく「自己革新的」ないし「自己超越的」な学習方法の欠如
・プロセスや動機を重視した評価
→信賞はあったが必罰がない(積極論者の失敗は大目に見られ、自重論者は卑怯者扱い)
→戦闘結果よりもリーダーの意図、やる気を評価

一つひとつの事項が企業の組織運営にも当てはまり、心に響きます。

我々のチームがもっと強いチームになるためにはどうすればよいのか。
居心地のよいチームでもよいパフォーマンスが出せなければ強いチームとはいえません。

プロセス評価のあり方は。

松下電器産業の中村社長(当時)がよく言っておられた「創造的破壊」という言葉もこの本に出てきます。
「自己革新組織」は、絶えずシステム自体の限界を超えたところに到達しようと自己否定を行う。進化は「創造的」なものであり、単なる「適応的」なものではない。
「自己革新組織」は、不断に現状の創造的破壊を行い、本質的にシステムをその物理的・精神的境界を越えたところに到達させる。

我々も「自己革新」ができる組織となりたい。
それも個人に依存するのではなく、組織の力として。
これが本当の「TEAM GOGYOFUKU」なのかもしれません。

経営品質プログラムとも共通する原理です。
そのための努力を続けて行きたいと考えています。