株式会社伍魚福 代表取締役社長

勉強メモ地域・社会とのかかわりについて経営について2025.06.29(Sun)加護野忠男先生お別れの会

去る2024年12月28日、神戸大学名誉教授 加護野忠男先生がご逝去されました。
加護野先生には、「ひょうご経営革新賞」、「関西経営品質賞」を通じて大変お世話になりました。
こちらは、2011年3月23日、ひょうご経営革新賞推進委員会特別賞を加護野先生からいただいた際の写真です。
この時代から、当時我々が販路として考えていなかった、コンビニを攻めるべきだ、とおっしゃっていたのが強く記憶に残っています。
伍魚福社長ブログを検索すると、以下の記事がヒットします。
2008年度ひょうご経営革新賞奨励賞
2009年度ひょうご経営革新賞
2009年度関西経営品質賞報告会
2010年度ひょうご経営革新賞推進委員会特別賞
2012年流通科学大学実学サロンでの講演
いろいろな場面でお世話になってきたことが思い出されます。

本日は「加護野忠男先生お別れの会」(於:神戸ポートピアホテル)。
会場の大和田の間の3分の2ぐらいに椅子が並べられており、加護野先生とご縁のあった方々で埋め尽くされています。

13時に開会。
開会の辞、黙祷の後、7名の方からの弔辞。
神戸大学大学院経営学研究科研究科長の國部克彦教授。
一橋大学の伊丹敬之名誉教授。
神戸大学の石井淳蔵名誉教授。
公益財団法人関西生産性本部の大坪清会長。
株式会社神戸ポートピアホテルの中内仁社長
上智大学の山田幸三名誉教授。
和歌山大学の吉村典久名誉教授。

伊丹先生のご著書「経営戦略の論理」は私の座右の書。その執筆のきっかけが加護野先生との出会い、1989年の「ゼミナール経営学入門」の共同執筆であったというお話があり、大変驚かされました。
石井先生には、神戸ファッション協会の勉強会を通じて永年お世話になっています。石井先生と加護野先生は、神戸大学1年生の語学のクラスからのお付き合いで、共に大学院に進まれ、神戸大学大学院で共に教鞭をとられました。関西経営品質賞の判定委員会でも委員長の加護野先生とともにお世話になりました。
「関西経営品質賞」は公益財団法人関西生産性本部が母体となって設立されたものです。
関西生産性本部の大坪会長からは、加護野先生による「関西経営品質賞」創設宣言の紹介がありました。
少し長いですが、以下に引用させていただきます。
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「関西経営品質賞」創設宣言
~関西経営品質賞のミッション~
関西経営品質賞審査委員長・判定委員長
神戸大学教授 加護野忠男 氏

関西を良くしていくことが、「関西経営品質賞」創設の目的である。関西を良くしていくためには、関西にある組織を良くしなければならない。組織の中で最も大切なのは企業であるが、大学や行政組織、さらには病院などさまざまな組織体の人々にも頑張ってもらわねばならない。そのために関西で良い経営をされている企業・組織を表彰させていただく。それを目標に組織体の人に頑張ってもらいたいというのが関西経営品質賞のねらいである。

「“良い経営”を通じて関西から世界に通用する企業・組織を輩出する」。これが関西経営品質賞のミッションである。関西にはすでに世界に通用する企業が多数あるが、さらにもっと多くの企業に世界に通用する経営をしてもらいたいと思っている。

経営とは何か。経営学者として最も返答に困る設問だが、私は常に良いことを上手にすることが経営のエッセンスであると答えている。今までの生産性本部は生産性を上げて上手に仕事をすることに重点を置いていた。しかし、これからはただ単に上手に仕事をするだけではなく、自分たちがしていることは良いことなのかということを常に点検し評価していくことが大切になる。

(中略)

関西経営品質賞は、受賞すればそれで良しということではなく、自分たちが改善・改革してきたことをできるだけ多くの企業・組織に伝えるという伝道師の役割を果たす義務もある。受賞が最終目的ではなく、この賞を通じて全体のレベルアップを目指しているので受賞された企業・組織にはその協力をぜひともお願いしたい。
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弔辞の後、加護野先生の最終講義の一部が投影されました。
経営判断をするにあたって最終的には「気合い」である。皆さんが結婚を決める際にも最終的には「気合い」だったでしょう、というお話が流れた際には、会場からも笑い声が。
気合いで判断する前の論理的な部分を補うという意味での学問。

ご遺族代表として、奥様からのご挨拶の後、献花。

会場後方には、加護野先生のご著書を始めたくさんの資料、写真などが展示されています。
その前では茶菓が振る舞われ、あちこちでご挨拶、ご歓談の輪が広がっています。

私も石井先生をはじめとする先生方、経営品質関係の皆さん、地元経営者の皆さんとお話しすることができました。

加護野先生に判定委員長として携わっていただいた2014年度関西経営品質賞の審査レポートを改めて読み返しますと、加護野先生のお言葉のように思え、その内容の的確さに驚かされます。
関西経営品質賞の関係者の方に伺いますと、加護野先生は全ての応募企業の「経営品質報告書」を読んだ上で判定委員会に臨まれており、各組織の審査チームの報告に対して鋭い質問をたくさんされていたそうです。
私の書いた「経営品質報告書」も読んでいただいていたのだと思うと、先生のご指摘が的確である理由を改めて実感することができました。

2022年、伍魚福が日本経営品質賞奨励賞を受賞した際には、関西の優秀賞受賞企業なのになぜ、という不満を漏らされていたそうです。
我々の努力不足もあってのことですが、いつの日か、加護野先生に良い報告ができるよう、お言葉を指針としてこれからも努力を続けてまいります。
ご縁に感謝。ありがとうございました。