株式会社伍魚福 代表取締役社長

地域・社会とのかかわりについて経営について2023.09.16(Sat)兵庫県立大学院(MBAコース)で授業2023

さる9月2日、兵庫県立大学大学院社会科学経営研究科専門職専攻「2023年度実践リーダーシップⅠ」という社会人向けのMBAコースの授業でお話しをさせていただきました。
科目の担当教員は小寺倫明准教授と安室(やすむろ)憲一名誉教授です。

この授業でお話しするのは、今年で4回目(オンライン2回、教室でのリアル開催が2回)となります。
今年いただいたお題は「これからのリーダーに求められるリスキリングの実践」。

伍魚福の経営のベースとなっている「経営品質」=「顧客価値経営」、この考え方と、そのアセスメント基準・ガイドラインが進化し続けていることなどもお話しをさせていただきました。
履修生は13名。
MBAとともに「中小企業診断士」の資格を得られるということで、県外から受講されている方もおられます。
大手企業の社員の方、定年間近でコンサルタントを目指しておられる方、すでにコンサルタントとして活躍されている方など、「リスキリング」を実践されている姿にとても刺激を受けます。

1時間半近くお話しをさせていただき、安室先生、履修生の皆さんとの質疑応答。
質問もたくさんいただき、あっという間に所定の時間は終了。

その後、履修生の皆さんが作成されたレポートをいただきましたので、一部抜粋して紹介します。
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「『伍魚福』の生命線であるユニークな商品企画を持続させることが肝要で、そのためには人材が最大の経営資源であると安室先生も指摘されていたが、優れた人材をどうやって確保し、育成・定着させるかが課題であると感じた」
「伍魚福の珍味は、私にとって贅沢をしたいときに買って楽しむ珍味で、他社品とは違う独特の価値を感じていた」
「海外進出を図るよりも、鮮度が重視され日本でしか食べられないという日本プレミアム感、レアリティを醸成し、インバウンドにフォーカスする方が良策と考える。既存チャネルの小売店の他、飲食店や宿泊業と連携することで十分販路拡大の余地があり、またこれ培った販売・マーケティング力をそこでも同様に活かすことができるのではなかろうか」
「エンゲージメント調査⇒あまり上がらない、腹を据えて取組み必要がある 会社の未来展望も影響していると思う」
「海外市場への挑戦、お酒との抱き合わせ販売が良いのではと感じる。現在、ホリエモンや中田英寿氏がアンバサダー(?)として、日本酒のすばらしさを世界に発信し、徐々にではあるが、日本酒もワインのような位置づけ (価値向上)に近づいている。このような発信者との連携を深め、海外の富裕層に市場を広げるのも良いのではないか」
「人の教育に関しては、ランクアップノートと使用して目標設定や日々のFeedbackを実施されていることは私自身としても自分でしていることが間違いではなかったと実感した」
「超ワンマンな先代社長から経営を継承された中で、ファブレスへの移行、社員の自主性を求めるスタイルへの変革ができたのは、実は先代が策定された経営理念に社長自身が腹落ちされていたことが大きかったのではないかと推察した」
「『いかなごのくぎ煮』の発祥地としてのモニュメント作成は、他の地域に対する宣戦布告のようにも見えました。これは発祥の地を宣言することにより、観光収入のアップが目的と思わせつつ、発祥地論争に火をつけて議論することで、お客様が第三者的それに知り興味を買って、いかなご市場を広げるしたたかな戦略なのかもしれないと深読みしてしまいました」
「自創経営として取り組まれている“ノート”は、早めにデジタル化した方がよいのではないかと思う。山中さんは「紙に書くことによる良さもある」とおっしゃられていたが、若手社員や新卒などは、強い抵抗を持つのではないかと感じるた だ。紙に書くこととデジタル機器を使って記載することの違いからくる“良さ”は、おそらく若者には分からない。(正直、30歳である私には紙に書く良さは分からない。書きたい漢字が出てこず、結局スマホで検索や変換するので手間に感じたり、自分の字の汚さを他人に見られることをストレスに感じたりする。)
もし、紙での記載を続けるならば、紙のノートとデジタルとの違いによる“良さ”を伝えないと、取り組み自体が形骸化しかねない。若手社員が「面倒くさいから適当に書けばいいや」 という考えになると、せっかくの仕組みが意味をなさなくなる」
「2次顧客である『お酒と食に対する好奇心の多い人』というのは範囲がとても広範囲であり、ふわっとしている印象を受けた。講義の中で女性の従業員の方が多いとのことだったが、実際顧客も女性が多いのではな かと想定する。なぜなら女性は男性よりも食に関してのこだわりを持っており、その分好 心を持っていることが推定されるからだ。実際、食へのこだわりを調査しているデータ等を見ると女性の方が食生活や健康に配慮し、食へのこだわりを持っていると記載されてい ことが多い。だからこそ、もう少し自社の特に直販店でのターゲット層を定められれば更に良い商品展開ができるように感じる」
「安室先生は、新卒採用の男性社員が退職しがちであるという傾向を捉えた上で、会社の持続性を高めるためには、女性社員の積極採用・登用によって、もっと「女性がおもしろいと思う会社」にしていくことも必要ではないかと受講生に問いかけ、そのためには会社の事業ドメインを柔軟に組み直していくことも必要であり、経営者のリスキリングがとても重要になるとの考えを示されました」
「現代の顧客は安いものを買うより、自分の好きなものを自分の価値に見合った金額で購入する為、タイミングの合った仕入れや販売方法を継続するための顧客の情報収集と分析を行う事が重要であると思う。キーエンスのように、日報などの営業活動情報をデータ化し分析する専門部署の充実を行い、その結果さらなる高付加価値商品の販売も可能にすると感じた」
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社会人経験を持った方ばかりということもあり、とても参考になるご意見をいただきました。

安室先生、小寺先生、履修生の皆さんに感謝です。
ありがとうございました!