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春告魚

2018年2月 9日

春告魚

広報・編集担当の佐久間史信です。

2月も中旬にさしかかり、今年のいかなご漁が気になります。
いかなごは昨年、一昨年と不漁が続きました。
ともに解禁日は3月7日で、例年より1週間以上も遅れました。

とりわけ昨年の極端な不漁は、鮮明に記憶にのこっています。
解禁日の新子の価格は1キロ4000円をつけたところもあります。
あまりの値段に、半ば呆然としました。

わが家では炊く量をごくわずかにしました。
それでも炊けたのは、まだいいほうだったかもしれません。
「並んだのに買えなかった」という話もあちこちで耳にしました。

待ちに待った楽しみを奪われ、多くの人が落胆したことでしょう。


「くぎ煮」はともかくとして。

私が楽しみにしているのが「新子の釜揚げ」です。
三杯酢で食べるあの味...
あれこそが私にとって〝春の味〟なのです。

春夏秋冬、旬の食べ物はいろいろありますが、
一年を通して、これほど待ちわびる食べ物はありません。

 

生いかなご(手の上) .jpg

 

 

 

 

 

 

 

じっくり見ると、驚いて目を見開いているような顔をしています。
それを思うと、ちょっと気の毒にならないこともありませんが、
網にかからなければ、もっともっと大きくなれたのに...
なんてことは露ほども考えず、口の中に入れます。

「くぎ煮」は保存がききますが、釜揚げはそうはいきません。
おまけに新子は日に日に大きくなっていきます。
おいしいのはせいぜい二週間ほどの間です。
なのでこの間、食べないと損のようにして食べます。

特にお腹の部分がちょっと赤い「赤腹」の新子だったりすると、
もう、見ただけでおいしさを確信します。

以前は米粒くらいのタコの赤ちゃんがときどき混じっていました。
それが妙にうれしかったのですが、品質管理が良くなったせいでしょうか、
最近はついぞ見なくなって、ちょっと残念に思っています。

その釜揚げを、昨年はたった一度しか味わえませんでした。
値段もさることながら、そもそも売っていなかったのです。
初めてのことでした。


どうして?、と訝しんでいた3月のある日。
募集中の「いかなごのくぎ煮文学賞」に、
淡路島の水産加工業者の方から応募がありました。

「はじめまして。商売がら、伍魚福さんは前々からよく存じ上げています」
との書き出しで、一編の詩が添えてありました。

(これは願ってもない方から応募がきた...)と、
たまたま記載項目に少し不備があったので、それを尋ねついでに、
いかなご漁の様子など、二、三度、メールをやりとりしました。
そこで「釜揚げ」を売っていない理由を尋ねました。

とても気さくに相手をしてくださいました。

それによると...
獲れたいかなごは、高く売れる、つまり儲かる順に商品にしていくのです。
ビジネスを考えれば、当然ですね。

となると、一番に「生売り」、二番手に「くぎ煮の自社生産」ときて、
「釜揚げ」は三番目、最後に「かなぎちりめん」という順番になるそうです。
つまり、獲れる量が少ないほど、後の商品に響いてくるとのこと。

昨年はあまりの不漁のため、二番手までしか手が回らなかったそうです。
これが「釜揚げ」がいっせいに姿を消した理由でした。

といって大漁だと価格は下がり、それはそれで収益に影響しますが、
「やっぱり漁師さんたちも、豊漁を望んでいますよ」
「人間がそうしているだけで、いかなごに罪はないんですけどねぇ...」
とのことでした。


さて、今年の漁はどうなるのか...
せめて〝そこそこ漁〟にはなってほしいと切に願います。

まだ濃い冬色の播磨灘。
海の中は、いま、どうなっているのでしょう。

 

【私のお気に入り珍味】-------------------------------------------

北海道産半生焼たらこ」です。
箸でちょこっと崩しつつ...、熱燗にたまらない味です。

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次回は定浪さんです。 

 


投稿者 伍魚福スタッフ : 15:12 | コメント (0) | トラックバック (0) | スタッフ世間話

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