地域・社会とのかかわりについて

2018年4月27日

第7回いかなごのくぎ煮文学賞・入選作品発表

20180427kuginibungakusho.jpg第7回いかなごのくぎ煮文学賞の入選作品が発表されました。
伍魚福が事務局を務める、「いかなごのくぎ煮振興協会」の主催で2012年から始まった文学賞です。
主催:いかなごのくぎ煮振興協会
後援:神戸市、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会
協力:株式会社伍魚福、「食のまち神戸長田」推進委員会、株式会社ホームセンターアグロ、長田区内郵便局

応募資格は、「くぎ煮に思い入れのある方」。
これ自体に反応いただいた方も多数あります。

特別審査委員長は、第1回目より、作家・俳人の三田完(みたかん)先生。
三田先生のプロフィールは次のとおりです。
1956年埼玉県出身。慶應義塾大学卒業。
2000年、「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞受賞。
2007年、「俳風三麗花」(文春文庫)で第137回直木賞候補。
近著に「不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む」(文藝春秋)、「鵺」(KADOKAWA)など。
いかなごのくぎ煮との出会いは、2000年ごろ、作詞家の阿久悠氏からプレゼントされたこと。

今年は史上最高の3170もの作品が集まりました。
昨年は2155作品でしたので1000作品以上増えたことになります。
たくさんのご応募、ありがとうございました。

内訳は、俳句 421(昨年は298、以下同じ)作品、川柳 2304(1374)作品、短歌 284(348)作品、エッセイ 129(101)作品、詩 32(34)作品です。

三田先生に、グランプリ、準グランプリ、各部門特選を選んでいただきました。
三田先生、ありがとうございます!

【グランプリ】
<短歌>
「さあ食べな 佃煮なんて 呼ばせねえ ご堪能あれ イカしたカーブ」
ぱんち さん(栃木県・女性・高3)

<三田完先生講評>
素材の鮮度が良いほど、きれいな曲線に仕上がるくぎ煮。それを「イカしたカーブ」とは、なんと痛快な表現!。そんじょそこらの佃煮と一緒にされたくないいかなごのプライドが、中森明菜の「少女A」のような声音で伝わってきます。

その他詳しくは、「くぎ煮.JP」をご覧ください。

「いかなごのくぎ煮振興協会賞」は、事務局長である私が選んだ13作品です。
今年の振興協会賞に選んだエッセイの中にくぎ煮のルーツについてとても興味深い作品がありましたので、以下全文を掲載します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
≪ エッセイ ≫
「一番捕りイカナゴを近所で炊く」
上野佳平 さん(兵庫県・男性・86)

今から80年も前の戦前のこと  3月になると、いつも私の家では近所の人が集まり、祖母の指導でイカナゴの佃煮の「チンカラ」を作っていた。
 淡路島東岸中央の私の家の持ち山が、海岸へ突き出ていたので、イカナゴの季節になると、漁師が「解禁日」など無いからその山へ上がり、紀淡海峡から入って来るイカナゴを見ていた。イカナゴが入って来ると海の色が変わるので、ノロシを挙げて合図をして、漁師がイカナゴ捕りの船を出していた。
 見守りのための山の使用は無料であるから、最初に捕れたイカナゴの茹でたのをバケツに一杯ぐらいを、私の家へお礼として持って来ていた。それを近所に配ったりした。
 私の町には九州薩摩の島津家の分家があって、千年も前から醸造業をしていて、獲れたイカナゴの佃煮を作っていた。回船問屋の私の家が佃煮を阪神間へ持って行って、大変に好評であり、そのことは長年続いていた。
 私の祖母はその島津家から嫁入りをして来て、女学校の「行儀作法」の先生であって、「家庭科」の授業も担当して、「イカナゴの佃煮」の作り方を教えたりしていた。
 そのことを私の家の近所でもするようになり、漁師がお礼に持って来る茹でたイカナゴを「生」でもらうようにして、九州薩摩で使っている「チンカラコンロ」で炊くことにした。祖母は島津家から多くのコンロを取り寄せて、近所の人に作り方を教えた。
 それが町中に拡がり、みんなは島津家でチンカラコンロを買って自分の家で作った。チンカラコンロで炊いた佃煮は「チンカラ」と言うようになり、「チンカラを神戸の親戚に送ったら喜ばれた」と言う声が多く聞かれた。
 それからは漁師が最初に捕れた生のイカナゴを、私の家へ多く持って来るようになり、それを配って近所が「チンカラ」を炊くことが続いた。今はそのことを知っている人は居ないが、「チンカラ」の言葉は残っている。

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今から80年前、ということは、昭和13年(1938年)ごろとなります。
フィクションでないとすると、淡路島でもいかなごを生から炊いていた、という貴重な証言です。
いかなごが紀淡海峡から入ってくるという話も初めて耳にしました。
事務局で作者の方に連絡を取り、別途お話を伺いたいと考えています。

日本中の「くぎ煮に思い入れのある方」からの証言。
引き続き集めていきたいと考えています。
文学的にも、学術的にも意義が深まってきた「いかなごのくぎ煮文学賞」。
来年以降も実施予定です。
たくさんのご応募をお待ちしております。


投稿者 山中 勧 : 11:36

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